布曳滝の伝説

 昔、この地方の豪族の娘で、紅姫と呼ばれる姫が召使を連れて赤目の山に紅葉狩りにでかけました。紅葉の美しさに見とれていると、突然あたりは花が咲き乱れ、花の精が舞い踊る景色になっていました。姫も思わず一緒になって歌い踊っていたのですが、ふと気がつくと、どうしたことか切り立った断崖絶壁の上に一人で立っていたのです。下りる道もなく、ひたすら神様に祈っていると、やがてどこからともなく「紅葉の枝で百尺の布を織りなさい。その布を垂らせば帰れるだろう」という神様のお告げが聞こえ、機織機があらわれました。姫は言葉のとおり紅葉の枝を集め、一心に布を織りつづけました。やがて布が織り上がり、それを垂らして伝い降りることができました。下に降りた姫が振り返ると、垂らした布が一条の滝となっていました。神様は姫に働くことの尊さを教えたのです。
 このことからこの滝は布曳滝と呼ばれるようになったそうです。

※この伝説は「伝説の赤目四十八滝」より抜粋したものです。